モンテッソーリ教育では「言語教育」と呼ばれる分野で「言葉」や「文字」と関わっていきます。
- モンテッソーリ教育での言葉や文字はどのような存在?
- おうちでできる言語教育にはどんなものがある?
今回はモンテッソーリ教育的な視点から、「言葉」や「文字」との関わり方についてお伝えします。
- モンテッソーリ教育に興味のある人
- 文字の読み書きがいつからやったら良いか気になる人
- 子供とのコミュニケーションの取り方を知りたい人
もくじ
モンテッソーリ教育の言語教育とは?
モンテッソーリ教育では5つの分野に分けて考えています。
- 日常生活の練習
- 感覚教育
- 言語教育
- 算数教育
- 文化教育
このうち、言語教育では話すだけでなく、文字を書く活動を準備することによって、「母語を正確に理解して、母語で表現する能力を養う」ことを目的にしています。
具体的には、
- 意思を伝える
- コミュニケーションをとる
- 気持ちを整理する
ことを手段として用います。
意思を伝える手段としての言葉
子供は、ことばを持って生まれてくるわけではありません。
みやび
0歳、1歳の子どもに話しかけても、はっきりした返事はありませんよね。
みやび
コミュニケーションの手段としての言葉
「言葉」はコミュニケーションをとっていく上でとても大切です。
言葉の発達には個人差がありますが、およその段階は以下のとおりです。
言葉の発達段階
- 生後0〜1ヶ月頃
- 生後2〜5ヶ月頃
- 生後6ヶ月頃〜
- 1歳〜1歳半頃
- 1歳半〜2歳頃
生理反射的に泣いたり笑ったりします。
機嫌が良い時に「クー」と喉の奥で音を立てます。
これはクーイングと呼ばれ、この後の喃語に続く段階です。
「あーあー」「だーだー」など「喃語」と呼ばれる同じ音を繰り返す言葉を使うようになります。
「まんま」など何となく今の通じる言葉を話すようになります。
「ママ」「ワンワン」など1語文も話すように。
「ママ」などの1語が増えてくると、「ママ、どこ?」などの2語文を話すようになります。
会話のきっかけにはどんなものがある?
2語文、3語文を話すようになると、あとはたくさん話して語彙を増やしていくことが大切です。
みやび
いちご
どのようなきっかけで話をできるでしょうか?
- 子供のいる環境に写真や絵を飾る
- たくさんの人と会う
などがあります。
いちご
みやび
など、会話のきっかけになります。
また、たくさんの人と会うとボキャブラリーを増やすきっかけにもなりますよ。
- 書き言葉が豊かになる。
- 読む時に内容を理解できる。
などの効果が表れます。
気持ちを整理する手段としての言葉
人間は気持ちを整理するときに、頭の中で「言葉」を使用します。
考えたり、知識を得たりといった活動は、言葉をとおして行われます。
この時使用される「言葉」が「母語」です。
母語で気持ちを整理できるということは、母語を伸ばす必要があるということです。
文字を「書く」「読む」の敏感期をどうやって過ごす?
子供は成長していく過程で様々な「敏感期」を過ごしていきます。
始めは「話しことば(音声)」の活動から始まった言語の敏感期は、「書きことば(文字)」の活動へと移行していきます。
- 書く敏感期:3歳〜4歳半
- 読む敏感期:4歳半〜5歳半
話しことばとは異なり、文字は自然に身についていくものではありません。
文字の筆順など、教育する必要があります。
「書く」敏感期の過ごし方
およそ3〜4歳半で「書く」敏感期を迎えます。
- 「ぐるぐる線」を書いているだけのものから
- 意味のあるものを書いていくようになります
いちご
書く敏感期で使われる文字は「自分の名前」です。
おそらく子供が1番目にする文字のはず・・・
いちごちゃんの通うモンテッソーリの幼稚園では、お仕事で作ったものに自分のお名前ハンコを押しています。
- 名前のハンコを置いてある場所に行く
- 自分の名前のハンコを見つける
- ハンコを押す
いちご
そのようにして、文字が書けるようになっていくのです。
使われる教具はメタル・インセッツ
書く敏感期で使われる教具には、メタル・インセッツがあります。
これは、円形・楕円形・卵形・ 三角形・曲線三角形・正方形・長方形・台形・正五角形・花十字形の10枚の図形を象ったもの。
枠をなぞったり、複数の図形を重ねることも可能で、運筆としてだけでなく、集中力や芸術的感覚も身につけられます。
挑戦してみる?
「読む」敏感期の過ごし方
およそ4歳半から5歳半で「読む」敏感期を迎えます。
なんて経験はありませんか?
文字が読めているわけでなく、単に聞いた音を真似ているだけなんです。
果物の「りんご」を例に
- 「りんご」を果物のりんごとして理解できるようになります。
- 「り」「ん」「ご」と読めるようになります。
この頃は「りんご」という文字を見て「りんご」と読んでいるわけではありません。
みやび
「りんご」をイメージして発音しているわけではありません。
みやび
使われる教具は砂文字盤
読む敏感期で使われる教具には、砂文字盤があります。
- 方形の板の上にサンドペーパーで一文字ずつ書かれています。
- ザラザラになっている砂文字の部分を正しい筆順でなぞり、文字を覚えます。
ザラザラしているよ
モンテッソーリ教育は言語教育で言葉や文字と関わろう
言語教育はコミュニケーションをとるのにも、考えるのにも重要な役割を持っています。
ひたすら文字を詰め込んで覚えさせるというのではなく、自然となじむような工夫がされていますね。
もちろん話しかけるや絵本を読んであげるなど、教具を使わなくても働きかけることはできますよ。
「読む」「書く」敏感期があることを知って、できるようになるとよいですね。
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